2023-05-12

016 不安な夜の嫌な記憶
1967・06 スットクホルム・スウェーデン

深夜 胃が痛む 不安が過る

大学時代 救急車で2回 病院に搬送されていた

一回目も二回目も 油濃い食べ物とアルコールの組み合わせの時に起きた

七転八倒の末 医師が注射を打つと何事もなかったように解消する

その時は精密検査をしても 何が原因かわからなった

今回の旅行 どこで発症しても24時間以内に帰国できるように

両親は世界一周チケットを 用意してくれていた

旅の始まりは当然注意していたから アメリカでは一度も発作は起きなかった

今夜はちょっと油断した 横になって安静にする

いつの間にか深い眠りに落ちていった

翌朝 症状はすっかり消えていた 

振り返れば これまで際どい体験をしてきた

3歳の頃は肋膜炎にかかり 戦後直後の物資がないころ 医者もさじを投げた

祖父は見つけてくれた 高価な漢方薬ジャコウネコの肝を手に入れ 一命をとりとめた

6歳の頃は急性中耳炎になり 緊急オペを受け助かった

小学5年生では 学校帰り家の近くの駄菓子屋に寄った

「撃つぞ・・・」 中二のお兄ちゃんが空気銃を構えて 待っていた

いつもの遊びと思っていたから 「撃ってみろ!」

軽い衝撃と鈍い音がして わき腹から血がゆっくり滴り落ちた

銃の所有者は預けるとき 弾は入っていないと告げられていたから

撃った本人はびっくり仰天 叫び声をあげ騒いでいる

映画のワンシーンか? 何が起きたか理解できなかった

異変に気付いた母親が状況を察し 近くの名大病院に負ぶって駆け込んだ

手術はかなり時間がかかった

毒のある鉛玉は時間との闘い レントゲンで位置を確かめてトライしたが見つからない

弾は体内で動くらしい もう一度レントゲンを取り直してやっと見つけた

あばら骨の裏に回っていた あと数ミリ深く入っていたら危なかったと後から聞いた

小さいころから両親には 心配ばかりかけていた

いつ再発するかわからい爆弾を 抱えた一人旅に 

よく許可してくれたと 改めて両親に深く感謝し

明日はシリアラインで船旅 第6の国 フィンランドに期待が膨らむ

旅の神髄を味わう 大事件が待っているとは知る由もなかった!