2023-05-12

007 セントラルパークの想い出
1967・06  NY・アメリカ

その日は快晴で特に暑かった

中西君とその仲間たちと 午後早めにセントラルパークに向かった

サマーフェスティバルの一環で 野外コンサートが開催されるという

誘われるままに歩いていく

ビル街を抜けると そこに大きな森があった

森を突き抜けると 濃い緑の心地よい芝生が広がっていて

先発隊はシートを広げて待っていた

アリも姉とそのボーイフレンドと一緒に来て

手を挙げて合図している

たわいも無いお喋りで時は過ぎていく

聴衆で芝生が見えなくなり 紅の夕日がビル群に映える頃

一筋のサーチライトともに 独特のエンジン音が迫ってきた

ヘリは上空を旋回し その歌姫は舞い降りた

声量のある個性的な歌声は 森に響き渡り

熱狂的なファンは 聞き逃すまいと必死で聴いている

歌い終わる毎に ため息と喝さいで熱気が伝わってきた

残念ながら 歌手の名前を知らなかったので記憶すらしていなかった

30数年後 映画 追憶(メモリー)を何気なく見ていて 飛び上がった

バーバラ・ストライザンド 彼女その人だった

声量と質は当時の記憶をありありとよみがえらせてくれた

セントラルパークの懐かしい人々と共に

その後、バーバラは

大活躍して 歴史に名を残した

映画「追憶」より