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日時 /2010年7月22日会場 / ローズコートホテル3階アブローズ

講師吉澤加奈子(ココカラウィメンズクリニック院長)

現在、日本女性が一生のうちに乳ガンを患う頻度は約20人に一人といわれています。つまり小学校等の40人程度の学級をイメージすればクラスの一人が乳ガンになるといえます。そして現在では胃ガンを抜いて乳ガンが首位に躍り出る勢いとなっています。


現在も患者数は増えており、今は17人にひとりともいわれています。1960年には1700人足らずだった乳ガン死亡者が、現在は年間1万人近くにものぼっています。40年ほどの間に、5倍以上も乳ガン死亡者が増加し、欧米を追従しています。実際に乳ガンにかかる人の数は、年間4万人にもなり女性のガンの第1位となっています。


乳ガンが胃ガンや肺ガンと違う特徴に20代からしばしば発症し、30代より右肩あがりに増加、40代後半というガン年齢としては若い年齢層にピークがあることです。まだ妊娠可能であったり、子育て中であったり、社会の一線で働いていたりするこの年代が乳ガンに倒れた場合の直接的な社会的損失は計り知れないものがあります。また配偶者やこどもなどに対する精神的影響もより大きく、家族性のうつが増加するとも報告されています。


つまり乳ガンはかかる人が多いうえ、さらに個人、家族、社会にもより大きな影響をもつ病気なのです。この病気は女性本人にとどまるものではありません。愛する家族や友人、仲間のためにも乳ガン検診を受けていただきたいというのが私の願いです。


ピンクリボン運動というのは1980年代にアメリカで始まった、乳ガンの検診の啓発運動ですが、数年前から日本でも活動が活発になりました。 低い日本の検診率は20%前後。欧米諸国は80%前後と高く、乳ガンでなくなる方も確実に減少しているのにもかかわらず、日本は死亡者数が増え続けています。なぜでしょうか・・・・。


乳ガンが早期の段階で見つかり、適切な治療がなされれば90%以上の方が治るといわれています。早期発見できれば、治る可能性の非常に高いガンなのです。しかしながら、前述の通り、検診率が日本では非常に低いために、早期の段階で見つかる方が少ないというのが悲しい現状なのです。
早期発見・早期治療には、やはり、定期的に健康診断にて乳ガン検診をうけることが非常に大切なのです。
私は3年前にNPO法人ウーマンリビングサポート、その中に、2年前名古屋ピンクリボンフェスタ実行委員会というものを仲間とともに立ち上げました。


名古屋を中心に、東海地域の乳ガン検診率88%(名古屋のシンボル8にかけて)を目標に活動しています。
将来的には名古屋、東海が乳ガン検診の全国のモデル地域となり、日本の乳ガン検診受診率上昇をめざしています
私たちの活動目標は、「乳ガンの正しい知識と理解を広める」ことと、「乳ガン検診の重要性・必要性を伝える」ことです。
また、子宮ガンも20代〜30代の若い女性に急増している現状をふまえて、女性の健康と幸せをサポートするNPO法人として、ピンクリボン運動のなかで、子宮ガン健診を定期的に一緒にうけることを啓発していきたいとおもっています。
ここで、乳ガンという病気についてすこしふれておきたいとおもいます。乳ガンとは乳房のなかの、乳腺(母乳をつくるところ)に発生する悪性の腫瘍です。

乳ガンの症状はさまざまで、しこり、痛み、分泌物、乳首のただれ、皮膚のくぼみ、などがあります。初期の症状として、食欲の低下や体調が悪くなるなどの全身症状はほとんど無いため、気が付かずにそのまま放置しておくと、乳腺の外までガン細胞が増殖し、血管やリンパ管を通り、全身へ広がる恐れがあります。


しかし、皮膚の表面に近い場所に発生する場合が多く、定期的な検診や、自己チェックを行うことで比較的早い段階で発見できるガンでもあります。 乳がんは女性だけがなる病気ではありません。乳がん患者全体の1%未満ですが、男性の乳がん患者さんもみえます。男性の皆様もご注意ください。 定期的な検診(マンモグラフィー(乳房のレントゲン)、超音波(エコー))以外に、月に一度「自己検診」をすることがオススメです。


日時 /2010年7月22日会場 / ローズコートホテル3階アブローズ

定期的に自分の乳房をセルフチェックすることで、胸にできたしこりを発見できることもあるのです。
こういった女性特有のガンについては、パートナーである男性の理解も非常に重要です。
ご主人の「ちゃんと検診に行ってるのか?」「ちゃんと行きなよ」「行くときは子供みてるから」というそんな一言、パートナーの大切な女性にかけていただきたいのです。


乳ガン、子宮ガンはみじかな病気です。人ごとではありません。「1年に一度の検診は、美しく、すてきな女性のみだしなみ」です。
わたしの願い。乳ガン、子宮ガン検診の検診率があがり、悲しむ女性、その家族がすこしでも減りますように・・・・・。